UAVレーザ点群のコース間QCで「12cmズレ!?」が出たとき. まず何を確認すべきかを整理します.
OverlapとTrajectoryの安定を見て. 差分評価を正しく読む入口を作ります.
はじめに
点群のコース間QCって、最初の一発がいちばん怖い。
「平均差 12cm」とか出た瞬間、頭の中でこうなります。
え、終わった?
これ納品できないやつ?
でも、ここで結論を急ぐと沼ります。
初回の数値はだいたい 判決じゃなくて警告灯。
だからまず、順番に入口から確認します。
この記事でやること
「高さ差」を見る前に、これだけ。
- 重複(Overlap):そもそも比較できるだけ重なってる?
- 軌跡(Trajectory):帯が歪むほど不安定じゃない?
この2つを押さえると、次回の「高さ差QC」が急に“読める数字”になります。
0) 用語
- ストリップ:飛行ラインごとの点群の帯
- 重複(Overlap):2本の帯が同じ場所をどれだけ共通に覆ってるか
- 軌跡(Trajectory):GNSS/IMUの位置・姿勢ログ
1) 入口①:重複を見たら、気持ちが少し落ち着いた
まずは重複。
ここでやってるのは「どこが比較の土俵に乗ってるか」を見ること。
これ、初心者あるあるですが
重複が薄い場所が混ざったまま差分を見ると、統計が荒れやすい。
(そして平均が盛られて心が折れる)

図1:重複解析(Overlap Threshold=40%)
緑=十分重複、赤=重複不足、橙=非重複、白=境界。後工程(差分評価・補正処理)に進む前に「比較できるだけの重複があるか」を確認する。
この図の見どころ(初心者向け)
- 緑が多いほど安心(比較の土俵が広い)
- 赤がある=即アウトではない
→「そこは比較が不安定になりやすい」くらいの感覚
2) 入口②:軌跡品質を見て「帯が歪むタイプじゃなさそう」と判断
次に軌跡。
ここは“点群がズレてる”以前に、帯そのものが歪んでないかを見るところ。
見るポイントはシンプル:
- 高度・速度の乱れが大きくないか
- 帯の変形(Deformation)が大きくないか
体感メモ:
ここが安定してると「じゃあ次は“比較の仕方”を詰めればいい」と前向きになれます。

図2:軌跡品質(設計高度80m・設計速度3m/s、閾値5%)
高度・速度の一貫性や、帯の“変形”指標(Deformation%)を点検する。Deformationが小さく合格なら「軌跡起因で帯が大きく歪むタイプではない」ことの目安になる。
第1回まとめ:初回の数字に殴られる前に“入口”を見る
- 重複が薄い場所が混ざると、差分は荒れやすい
- 軌跡が不安定だと、差分以前に帯が歪む
だからまずは入口の2つで、状況整理。
そして次回、いよいよ「12cmズレ!?」の正体を暴します。
次回予告
第2回は本番。
「全域で12cmに見えた差が、条件を詰めたら平均4cm/RMS6cmに収束した」までを、手順通りにやります。
この記事は現場の声で育てていきます。気づいた点や追加情報があれば、ぜひ教えてください。
お仕事のご相談、ご依頼も歓迎です。
有限会社アペオ技研 加藤
連絡先:kato.apeo@gmail.com


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