あるある。ボアサイト調整までやったのに擁壁だけズレる

UAVレーザ測量の後処理。
ボアサイト調整まできっちり詰めた。平場や一般地形は問題ない。
それなのに、擁壁付近だけを見ると・・・・・コース間でズレている。
しかも、ズレが露出するのは、擁壁の斜壁みたいな硬い面。
この手のズレは、気づいた瞬間に胃が痛い・・・・。
先に結論。ボアサイトは万能ではない
ここで一度、ボアサイト調整の役割を言語化する。
ボアサイト調整は、全域に対する定数補正。
全体の平均的な誤差を最小化するための調整。
つまり、ボアサイトは全体を良くする。
でも局所構造物の周辺で出るズレは、残ることがある。
なぜ擁壁だけズレが出るのか

擁壁のような局所構造物があり、そこに対して直交にコース取りをすると
ストリップごとの微小なheading残差が、擁壁周辺で強く見えやすい。
さらに、時間変動要素が乗ると、局所で一気に破綻して見える。
風、機体のたわみ、IMUドリフト、衛星幾何、鏡角依存の癖。
こういう要素は、全域では平均化されるのに、擁壁では露出しやすいと思われる。
そして重要なのはここ。
このストリップ別、時間別の微小角ズレは、1組の定数であるボアサイトだけでは、完全には消し切れない。

では何を疑うべきか。視点を変える
擁壁でズレが残った時、やりがちなのが。
もう一回ボアサイトを詰め直す。
もちろん見直しは大事だと思います。
でも、既に全域が整っているのに擁壁だけがズレるなら。
疑うべきは、ボアサイトの調整不足ではなく時間依存の残差の方が多い。
ここで初めて次の一手が見える。
全域の定数補正では届かないストリップ別、時間依存の微小ズレを、別の手で潰す。
次回予告。ROIとTAで局所ズレを潰した実例
次回は、実際に擁壁周辺だけROIを作り
そのROIを拘束と評価に使って、TAで局所ズレを潰した流れをまとめる。
同じ現象に当たった人が、迷わず再現できるように。
ROIの切り出しとROIの厚みの考え方まで書く。
第1回まとめ

- ボアサイト調整は全域の平均誤差を小さくする定数補正。
- 擁壁のような局所構造物ではストリップ別、時間別の微小残差が露出しやすい。
- 全域が整っていて擁壁だけズレるなら、次に疑うのは時間依存の残差。
- 対策は、局所ROIを作ってTAでストリップ別、時間依存の微小補正を掛ける。
この記事は現場の声で育てていきます。気づいた点や追加情報があれば、ぜひ教えてください。
お仕事のご相談、ご依頼も歓迎です。
有限会社アペオ技研 加藤
連絡先:kato.apeo@gmail.com


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