壁のズレを直す手順 範囲を固定して改悪を防ぐ(第2回)

UAVレーザ

全体像。やることは2つだけ

今回やったことは、次の2つです。

1つ目。擁壁を捉えたストリップだけを切り出して、ROIとして扱う。
2つ目。そのROIを基準にして、TAで軌跡を時系列に微調整する。

ポイントは、全域を相手にしないこと
捉えた擁壁部分のノイズ、草木、地表等、擁壁のみを綺麗にトリミングすること
ズレが露出している場所に、評価と合わせ込みの力点を寄せます。


手順1 擁壁を捉えたストリップだけ切り出す

まず、擁壁の斜壁を捉えているストリップだけを取り出します。
ここで作るROIは、単なる切り出しではありません。
この部分を、評価と合わせ込みの基準にするためのROIです。

全域を対象にすると、擁壁のズレは平均化されて埋もれてしまいます。
逆に、擁壁周辺だけをROI化すると、ズレがはっきり見える状態になります。
この状態にしてから次へ進むと、無駄な試行錯誤が減ります。

なので、擁壁部分をだけを綺麗にトリミングしたROIを作成する。

擁壁を捉えた4コースを切り出し、擁壁ROIとして扱う図。

手順2 TAで軌跡を時系列に微調整する

次にTA(Trajectory Adjustment)です。

ストリップのズレを軌跡PPを時系列で微調整して潰す
TAは、機体の軌跡PPファイルを、点群同士のズレが最小になるように時系列で微調整します。

ここが、ボアサイトとの決定的な違いです。

  • ボアサイト調整は、全域に対して一定の補正を与える定数補正です。
  • TAは、ストリップごと、時間ごとに変動する微小な残差を、時系列に沿って潰す調整です。

擁壁のように局所でズレが露出している場合、必要なのは後者の発想です。
つまり、全域の平均をさらに詰めるのではなく、局所で露出した残差を狙って潰します。


現場で迷わないためのチェックリスト

最後に、同じ状況になったときの判断が早くなるよう、チェックリストにしておきます。

  • 平場や一般地形は揃っているか。
  • ズレが擁壁や建物壁など、硬い構造物に集中しているか。
  • 直交コースの配置で、壁でズレが露出しやすい状況ではないか。
  • ボアサイトを詰め直す前に、局所ROIで現象を見える化したか。
  • ROI厚みを変えて、ズレの見え方がどう変わるか確認したか。
  • TAで、ストリップ別、時間依存の残差を潰す発想に切り替えたか。

第2回まとめ

ボアサイト調整は、全域を整えるための土台です。
しかし、擁壁のような局所構造物では、ストリップ別、時間別の残差が露出してズレが残ることがあります。
その場合は、擁壁周辺をROIとして切り出し、そこで合わせ込みの基準を作ります。
そしてTAで軌跡を時系列に微調整し、局所で露出した残差を狙って潰します。

この記事は現場の声で育てていきます。気づいた点や追加情報があれば、ぜひ教えてください。
お仕事のご相談、ご依頼も歓迎です。

有限会社アペオ技研 加藤
連絡先:kato.apeo@gmail.com

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